vol.16 続、大切な記念の腕時計を選ぶとき(諸説あり!!)
皆さまこんにちは! 岩田屋時計サロン店長の中内でございます。 前回の記事からの続き的な感じで、時計を選ぶポイントを少し深掘りしてみたいと思います。
前置きですが、内容には「便利・不便」「正確・不正確」といった言葉も出てきます。しかし、そのどれもが時計の「個性」です。決して肯定や否定の視点ではないことをご理解いただけると幸いです。
また、すでにこのブログをご覧の皆様はご承知の内容も多いかと存じます。「知ってる!」という突っ込みとともに、どうぞ温かい気持ちで読み進めてください。
■ポイント(1)
まず、初めての腕時計選び、と仮定して、時計の仕組みをお伝えしたいと思います。 時計は動力別で『機械式時計』と『クォーツ時計』に分かれます。
ざっくりとした特性を挙げると、
『機械式時計』
・動力はゼンマイ
・ゼンマイが解けるスピードを調整する脱進機(調速機)を備えている
・ゼンマイの巻き上げシステムには「自動巻き」と「手巻き」がある
・時間がやや不正確
・ランニングコスト(メンテナンス・維持費)がやや高め
・メンテナンスを繰り返すことで長持ちしやすい
『クォーツ時計』
・動力は電池
・時間の制御は水晶振動子(クォーツ)で行う
・ボタン電池とソーラー電池(充電式)がある
・ゼンマイ時計よりも正確な時間を示すことができる
・ランニングコストがお手頃なものが多い
・構造的に使用期間に期限があるものが多い。
価格帯やブランドにより例外もありますが、概ねこのような特性になるかと思います。
■ポイント(2)
次に、腕時計ユーザーの割合ですが、『機械式時計』2割:『クォーツ時計』8割くらいらしいです。 たしかに、これらの情報だけだと、『クォーツ時計』の方がメリットが多そうです。これは、『機械式時計』=こだわり派、『クォーツ時計』=実用派と分類できるのではないかと仮定します。(あくまでも仮定です!)
確かに“正確な時間を見る為に時計を着ける”はずなのに、機械式時計を選ぶと『精度』『コスト』『使い勝手』のいずれもがクォーツ時計より不便を感じるように見えます。その結果がユーザーの割合2:8を生んでいると思われますが、その不便な機械式時計の中で見逃せないポイントが「メンテナンスを繰り返すことで長持ちしやすい。」なのです。
部品の組み合わせで動くアナログな構造の機械式時計は、大きな仕様の変更が少なく、メンテナンスを行える期間が長いと言われています。 また、大きなブランドであれば、時計の製造本数が多くなる為、部品の保有数も必然的に多くなり、結果、長持ちしやすい時計となるわけなのです。なにより“使わないと止まってしまう”という不便要素は、愛着心を高める要素と紙一重ではないでしょうか。
とはいえ、時間を示す道具が不正確だったり不便では意味を成さない場合もあります。クォーツ時計で充電式のソーラーバッテリーを備え、しかも電波システムで正確な時間を毎日受信してくれる時計は、非常に優れた性能といえます。 しかも、この優れた機能がお手頃な価格から手に入るのは、世界でクォーツ時計の需要が高い大きな要素といえます。
■ポイント(3)
最後に、どのような使い方を想定しているか?という点です。きりりと引き締まるフォーマルシーン、キャンパスライフなどのカジュアルシーン、アグレッシブな現場でのアクティブシーンなど、時計の登場シーンは様々です。洋服をシチュエーション別で着替えるように、時計もシチュエーションに適した機能やデザインがあります。
ご使用になる方が、その時計をどのように使いたいか。そこにポイント(1)やポイント(2)の要素のアドバイスを加えて、お気に入りの1本にたどり着いていただきたいと思います。
余談ですが、記念品という言葉を検索すると、AI回答の一節に「思い出を形に残し、受け取る人の心に長く留める役割を持つ品」とありました。
時計を大切な記念品として長く愛用し続ける為に必要なことを、5万~30万円の価格帯のブランドにヒアリングしたところ、すべてに共通していた答えは『定期的なメンテナンス』でした。
機械式時計でもクォーツ時計でも、定期的なメンテナンスをすることで、良いコンディションの継続や傷んだ箇所の早期発見、交換パーツが残り少なくなっている、などのご案内もできるためです。また、メンテナンスの頻度は、5年~10年に一度は最低でも行ってほしい、とのアドバイスを頂戴しました。
また、一般的に機械式時計は長持ちと言われがちですが、長持ちの要素は構造に加えて、良い素材とブランドの規模、コンセプトなども必要になります。 価格が高い時計になるほど、これらの要素を備え、結果的に「一生ものの時計」と呼ばれるようになっていく場合が多いのですが、このような価格帯は贈り物ではなく、自分の頑張りによって得た対価で手に入れてもらっても良いのではないでしょうか。
今回のブログは、私自身がかなり悩みながら作らせていただきました。タイトルの(諸説あり!!)は、ここに記載されている内容が全てではなく(いうなればごく一部)、かつ、ご案内する方々や探されている方々の感覚や環境により、一切の正解が無い!ということです。
贈答品でも自分へのご褒美でも、時計探しは「これでいいのか?」を決める旅路です。 「これがいい!」にたどり着くために、岩田屋時計サロンでサポートさせてください!
皆さまのご来店をお待ち申し上げます。





